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電極−電解質反応性制御により固体酸化物形燃料電池特性の高性能化技術を開発


 JFCCでは、関西電力株式会社との共同研究で、中温作動SOFCの高性能化を目指したSOFC燃料極材料の開発を行っております。この共同研究の中で、ランタンガレート系電解質の特性をこれまで以上に引き出すことが可能な燃料極材料を開発しました。開発の鍵となったのは燃料極と電解質の界面における元素移動を詳細に検討したことでした。開発した燃料極材料を用いることで、従来の燃料極を用いた場合と比較すると約20%の出力の向上が可能となりました(図1)。

 水素と酸素から水を生成する際の電気化学エネルギーから電気を直接取り出す燃料電池はクリーンな発電システムとして期待されています。燃料電池の中でも最も高温で作動する固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、全て固体材料が使えるために劣化が少ないこと、高温作動であるため発電効率が高いといった魅力的な燃料電池です。ところが、高温作動であるがゆえに生じる発電システム構成材料に対する制約などの課題があります。これを克服するために、従来800℃〜1000℃で作動させていたSOFCを700℃〜800℃の中温領域で高効率に作動させる試みが盛んに行われています。SOFC用固体電解質として日本で開発されたランタンガレート系電解質は中温領域での特性に優れ、SOFC作動温度の低温化に大変注目されている材料です。ところが、優れた特性を有する一方で、電極材料との相性が悪く、その特性を十分に活かすことが難しい材料でもあります。

 燃料極と電解質の界面における元素の移動を詳細に調べると、界面を通してランタンガレート系電解質から燃料極へマグネシウムとランタンの移動が生じていることが分かりました(図2)。両元素の移動はSOFC特性を低下させる原因となります。
 燃料極の厚さが15μm以下と薄い場合には、マグネシウムの移動による影響が大きく、燃料極の厚さは20μm以上とすることが高出力化のために重要であることが分かりました。
 また、ランタンの移動が起こると、電解質側にSOFC特性を低下させる領域が形成されます。JFCCと関西電力株式会社では、燃料極と電解質の界面でランタンの移動が起こらないようにランタンを添加した燃料極材料を開発することにより、SOFC特性の高性能化を実現しました。

 開発した燃料極用材料は、新たな作製プロセスを追加することなく従来の燃料極に置き換えることで高性能化が実現できます。


図1 開発した燃料極材料を用いた発電特性


図2 燃料極と電解質界面で明らかとなった元素の移動


本研究成果は、7月17日(名古屋、名古屋国際会議場)および7月24日(東京、科学技術館)で開催した JFCC 2008年度研究成果発表会 にて報告いたしました。


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