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<< 戻る 2010年6月25日


ナノカーボン/セラミックス複合材を用いた不燃軽量電磁波吸収体の開発


< 概要 >
 ETCなどの専用狭域通信(DSRC)システムは、今後種々の自動料金支払いシステムへ波及していくものと考えられており、これに対応した不燃かつ軽量のDSRC用(5.8GHz)電磁波吸収体が必要とされている。本研究では、多孔質セラミックスとナノカーボン材料を複合することにより、不燃性、軽量性(〜1g/cm3)を満たし、5.8GHzの周波数において25dBという高い吸収性能をもつ電磁波吸収体の開発に成功した。



 IT新改革戦略では、高度道路交通システム(ITS)を実現し「世界一安全な道路交通社会」へ改革していくことが重要政策に盛り込まれた。すでに高速道路の自動料金収受システム(ETC)が先行して実施されている。ETCで用いられている専用狭域通信(DSRC)は、双方向通信であるため大量の情報を高速で受発信でき、通信のセキュリティーが高いことが特徴である(図1参照)。このシステムは、今後駐車場管理や物流管理、駐車場やガソリンスタンド等の代金自動支払いなどの分野へ波及していくものと考えられている。

 ETC開始当初発生した事故からも明らかなように、DSRC通信では、送受信アンテナ間における電磁波の多重散乱波によるシステム誤動作の問題が発生する。この誤動作対策の一つとして、電磁波吸収体が適用されている。現在高速道路の料金所では、有機材料を用いた電磁波吸収体が用いられている。しかし今後展開が期待されている駐車場やガソリンスタンドでは、建築基準法が適用されるため、不燃性・軽量性のあるDSRC用電磁波吸収体が必要である。

 本研究では、上記特性を満たす新規材料の可能性として、ナノカーボン/セラミックス多孔質材料に着目し、「導電性セラミックス製品及びその製造方法」と「超軽量多孔体製造方法」を融合し、材料開発を行った。なお、本研究は、経済産業省の「地域イノベーション創出研究開発事業」の一環として中部経済産業局の委託を受けて、名古屋工業大学、成田製陶所、中京油脂、グランデックスと共同で実施したものである。

 研究開発の材料特性の目標値は、他材料と比較して十分に有意な性能差を持ち、実用化のメリットのある、不燃性(建築基準法対応)、軽量性1g/cm3程度、電磁波吸収特性20dB(5.8GHz)と設定した。

 ナノカーボン/セラミックス多孔質材料は、以下のようにして合成した(図2参照)。セラミックス原料粉体と分散剤、蒸留水、有機バインダーを混合し、スラリーを作製する。スラリー中に気孔を導入し、重合開始剤を添加、鋳型に流し込む。スラリーは粘性が高く、気孔は内部に残留し、有機バインダーは重合進行し、最終的に固化して、成形体となる。この成形体を不活性雰囲気で焼成することでナノカーボン/セラミックス多孔質体を合成した。電磁波吸収特性に影響を及ぼす因子として、有機バインダーの種類、気泡導入率、焼成条件が考えられ、これらの条件を検討した結果、5.8GHzにおいて25dBの吸収特性を示す材料の開発に成功した(図3参照)。この吸収特性は幅広いピークをもち、実用上も有利である。また、気孔導入率を70%とすることで、密度1g/cm3を達成し、不燃性も達成した。

 性能として実用化レベルの材料を開発することができたので、今後、量産化技術の開発・検討をすることで実用化を目指す。


図1 ITS-DSRC通信概要図


図2 ナノカーボン/セラミックス多孔質材料の合成


図3 電磁波吸収特性測定結果 試料サイズ150x150x5mm


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