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CNT/SiC複合粒子による高性能皮膜の開発


*共同研究機関 名古屋大学(楠美智子教授)
           東海カーボン(株)、グランデックス(株)

1. 発表概要
 JFCCでは、従来のカーボンナノチューブ(CNT)とは異なる、炭化珪素(SiC)の表面分解によってCNTを生成するという全く新しい製法を1997年に見いだした(発明者:楠美智子、現名古屋大学)。その後、粉末状のCNTの生成研究を行い、更に、CNT生成反応を途中で止める手法を用いて、CNT/SiC複合粒子の製造に成功した。このCNT/SiC複合粒子は、自由に比重をコントロールする事が可能であり(添付図3)、また、各種材料中に混合することにより、機械的特性の優れた高性能皮膜や塗料用途の市場開拓に道を開いた新素材である。

2. 発表内容
 CNTの製法メカニズムは、添付図1に示すように、SiC原料をCOガス雰囲気中で熱処理するとSiCが分解反応を起こし、Siが揮散したあとに残ったCがCNT状に成長し、高嵩密度のCNT集合体が生成する機構である。この反応は特殊条件でしか起こらないが、JFCCでは、東海カーボンとの共同研究において、生成条件を精密に制御する事で、SiC粉末からCNT粒子を生成する基礎技術を完成させた。その後、経済産業省の地域新生コンソーシアム事業などに採用され、製品への応用展開を計り、現在に至っている。
 また、概要に示したCNT/SiC複合粒子(図2)はその形状から、液中や樹脂中へ分散が容易である。
 一方、CNTの機械的特性に関する研究結果*注から、CNTは変形回復時の高いエネルギー吸収能力がある、∨犹し舷瑤荷重に対して一定になる領域があり、摩擦制御機構の可能性がある、CNTは良熱伝導性であり且つ良電気伝導性である、で輓イ剖く高い変形エネルギー吸収能力がある、ゲ,傾み試験による亀裂進展を抑制する効果がある、等の性能を示す事が確認され、これら特異な性能を生かした用途開発をグランデックス社他と進めており、下記に示す様な分野に応用できるものと期待される。

耐摩耗耐擦傷材料として、摺動部材、車ガラス代替プラスチック用塗膜など(図4)
熱伝導材料としては、放熱フィルム、クーリングプレート、など
耐静電防止材としては、静電防止フィルム、フロアー材、など
その他の分野として、キャパシタ、二次電池、などエネルギー用途にも使用できる。

今後は環境や生活支援工業材料などをターゲットとして用途開発に努力する。

【安全性について】
SiC表面分解法によるCNT粉末は、形状が粉末状または粒子状であり、寸法はミクロンオーダーであるので、従来のCNTとは性状・形状などが異なっている。産総研殿で安全性を調査して頂いた処、本CNTの毒性は低く、生体安全性は高い、ことが判明した。

*注:名大・産総研・名城大・JFCC共同研究結果


図1. SiC表面分解法カーボンナノチューブの生成機構 図2. CNT/SiC複合粒子のTEM写真


図3. SiC直径比率と複合粒子の比重の関係 図4. 摩耗試験後のテストサンプル
(右上:アルミ材、他はCNT皮膜材)
 標準のアルミ材(図4右上)に対して、ロットの異なるCNT/SiC複合粒子を10wt%配合した皮膜(3種類)は、摩耗試験による光沢消失が少なく、本開発皮膜材は、耐摩耗性が優れている結果を得た。(グランデックス社より)



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