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高温配管診断のための温度分布センサを開発 
負性抵抗セラミックスによりパルス波伝送ラインを構成


< 概要 >
 高温配管系統などのモニタリング技術として、1次元の温度分布を計測できるセンサラインを開発した。負性抵抗セラミックスの複合材料を温度感受層とした伝送ラインを構成し、その伝送ライン上における電気的なパルス波の伝搬・反射を観測することで、距離・時間分解能に優れる温度分布センシングを可能とした。



 発電施設などの安全性向上に向けた技術的な取り組みの一つとして、高温流体を循環させる配管系統のモニタリング技術の開発が進められている。特に、配管減肉などの診断技術が重要とされており、様々な手法が開発されつつある中で、温度分布の計測による減肉部の検出も試みられている。しかしながら、多くの配管系統が保温材で覆われているため、従来のサーモグラフィーによる表面からの温度分布検査は適さない。さらに、光ファイバーによるライン状(1次元)の温度分布センサも開発されているものの、一般的には距離分解能がメートルオーダーであって局所的な温度分布の診断が難しく、また長い計測時間を必要とするため温度の時間変化に対する応答性も十分でなかった。そのため、局所的な温度分布の違いや時間変動の速い温度分布を捉える診断技術が必要とされていた。

 本研究成果では、電気的な時間領域反射法(Electrical Time Domain Reflectometry:ETDR)を採用し、電気的なパルス波を伝搬するセンサラインをレーダーとして機能させることで、温度の1次元分布を診断するシステムを開発した。このセンサラインは、温度上昇に対して電気抵抗値が大きく減少する負性抵抗セラミックス(Mn1.5Ni0.75Co0.75O4)などの粒子を耐熱性高分子のポリイミド中に分散させた複合材料を伝送ラインに組み込んでおり(図1)、温度分布に応じて伝送ライン上にインピーダンスの分布が形成される(図2)。つまり、このセンサラインの一端よりパルス波を入射してその反射波を観測することでインピーダンス分布が計測でき、その分布から温度の1次元分布を知ることができる。

 このセンサラインは柔軟性にも優れているため、そのラインを診断したい配管表面上に貼付でき、その配管周辺が保温材で覆われても配管表面の温度分布を検出できる。現状では、耐熱性高分子の耐熱温度(約250℃)以下が使用範囲であるものの、この高分子を使用せず負性抵抗セラミックスなどを配管表面に直接形成すれば、温度範囲を拡げることも可能である。従来の技術に比べて、距離の分解能を数cm〜数十cmにまで短くして局所的な温度変化もみることができ、さらに計測時間も数秒で済むことから温度分布の時間変化に対する追従性も期待できる(図3)。


図1 負性抵抗セラミックスを温度感受層とした温度分布センサラインの基本構成


図2 センサラインにおけるインピーダンス分布の温度変化


図3 配管減肉部に高温流体を流してから計測したインピーダンス分布の時間変化


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