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セリアの研磨メカニズム解明とセリアフリー代替研磨材の実現に向けたガラス用新規研磨材の開発


< 概要 >
 本研究成果は、7月5日(名古屋,ウインクあいち )および7月15日(東京・東京大学武田ホール)に開催するJFCC/2011年度研究成果発表会でご報告致します。なお、この成果は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「希少金属代替材料開」の委託事業の結果得られたものです。



 ハードディスク基板やフラットディスクプレイパネルなど、凹凸がないガラスが広く使われており、今後、その需要はますます高まっていくと予想されています。このきわめて平滑なガラスを得るために不可欠な材料が酸化セリウム(セリア)研磨材です。従来は、ガラスの研磨にはベンガラ(酸化鉄)が使われてきましたが、平滑性の高い研磨が早く得られるために、ガラスの研磨には世界的にも非常に多くのセリアが使われています。ところが、セリアの需要拡大には大きな懸念があります。それは、セリアを産出する地域が世界的にも極めて偏っていることです。現在、その価格は上昇傾向にあります。さらに、超平滑研磨用セリアの世界的な需要拡大傾向を考えると、将来的にセリアを安定供給できるかどうか、懸念されています。その懸念を現実の産業基盤の課題としないために、今のうちに科学技術開発の観点から克服するすべを見いだす必要があります。

 そこで、昨年度から、セリアに替わる代替研磨材料の開発とセリア研磨材の使用量を低減するための技術開発をNEDOの「希少金属代替材料開発」の委託事業の一環として、多くの参画機関ならびに,ガラスメーカ,研磨材メーカ、研磨パットメーカ、エンドユーザーメーカからなるアドバイザリーボードのもと、進めています。そのなかで、JFCCは、「なぜセリアを使うとガラスがよく研磨できるのか」のメカニズムを検討するとともに、そこで得られた化学的知見をもとに代替材料の開発を進めています。

 そのなかで、酸化セリウムにランタンを固溶させると、研磨速度が大幅に上昇することがわかりました(図1)。酸化セリウムにランタンを固溶させると、酸素欠損が生じ、セリウム原子の価数変化が起きやすくなることがわかっています。そのため、セリア研磨材の特性は、研磨材表面の欠陥構造に大きく影響を受けることがわかってきました。これらの知見を受けて、欠陥構造を比較的制御しやすい鉄系ペロブスカイト酸化物をして、研磨特性を検討しました。その結果,鉄系ペロブスカイト酸化物においても、セリアと同じような化学機械研磨特性(CMP)を示すことがわかりました。

 現状では、鉄系ペロブスカイト酸化物の研磨速度は、セリア研磨材にはまだ及びませんが、研磨速度をさらに向上させるための欠陥導入などによりセリア研磨材に匹敵する、セリアフリーの新規ガラス研磨材を開発したいと考えております。


図1 ランタンによる欠陥導入と研磨速度との関係


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