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Al添加ZnO透明導電膜の遮熱機能と構造解析 〜 安価な膜で熱線反射ガラス、太陽電池等の幅広い用途が期待される 〜


本研究成果は、7月6日(名古屋:愛知県産業労働センター(ウインクあいち))及び
7月12日(東京:東大武田ホール)に開催するJFCC/2012年度研究成果発表会で発表いたします。
 この成果は、経済産業省・NEDO 「マルチセラミックス膜新断熱材料の開発」の委託業務の結果得られたものです。

 本研究では、熱を遮ることで省エネに貢献するセラミックス膜ということで、太陽光のうち可視光を透過させつつ、熱線となる近赤外より波長の長い光を反射する膜の合成を目指しています。こういった光の制御は夏季の冷房効率を高める省エネだけでなく、太陽熱回収などのエネルギーを創る分野でも有効であり、集光した太陽光を透過させつつ作り出した高温部から輻射で逃げる光を閉じ込めることで変換効率を向上できます。

 本研究では、このような波長帯で選択的に透過・反射させる遮熱膜として、ZnOにAlを添加した透明導電膜の合成を進めています。この材料では、2価のZnサイトに3価のAlが入ることで電子が一つ余り、それが自由電子となって高い導電性を示します。その自由電子の量が金属ほどは多くないため可視光をこのように透過でき、近赤外より長い光のみを反射するため熱線をカットしてくれます。

 この遮熱性能を高めるためにはAlをたくさん入れて自由電子の量を増やしたいところですが、ZnOの中に固溶できる限界があり、しかも添加したAlから自由電子をうまく生み出させる膜の作り方が重要となります。そこで我々の膜の作り方では、ZnとAlの金属ターゲットを用いた酸素雰囲気下での反応性スパッタリングにおいて、この両ターゲット表面の酸化状態をコントロールすることに特徴があります。まず、Znターゲット側の制御では、スパッタリング中のZnプラズマの発光強度をみることで、Zn表面が金属状態か酸化状態かを判定できます。その発光強度をみながら、できるだけ酸素量を抑えてZnO酸化物を形成することが良い膜を得るために重要です。
もう一方のAlターゲットについては、スパッタリング中の電圧と電流の関係をモニタリングすることで酸化状態・金属状態を判定できました。その電圧−電流曲線をみると、Alのスパッタ電圧を増加させていくことで酸化状態から金属状態へ遷移する動きを捉えることができ、できるだけ金属状態に近いスパッタ電圧として、ZnO膜の成長と同時にAlを添加することが重要です。

 こういった膜の作り方により、Alをうまく添加しながらZnO膜を成長させることが可能となり、膜中の自由電子の量・動きやすさを高めることができました。その結果、熱線となる近赤外の反射性能を高めることができました。
 
 なお、このAl添加ZnO膜の構造解析については、成果発表会にて詳細を報告する予定です。


[ 用語説明 ]
・透明導電膜 可視域の光を80%以上透過し、電気抵抗率が10-3 Wcm以下の膜。
・スパッタリング 膜のもとになるターゲット板・膜を堆積させる基板を真空容器の中に設置し、真空引き後にガスを導入して高電圧下にてグロー放電させる。その放電によるガスイオンをターゲット表面に衝突させ、弾き出された原子・分子を基板表面に堆積させる成膜技術。
(※メール発信は@の後ろに jfcc.or.jp を付けて送付ください)

【参考図】



熱線反射による遮熱機能のイメージ





Al添加ZnO膜の透過率・反射率


<本研究に関する問い合わせ>

(財)ファインセラミックスセンター 材料技術研究所 エレクトロ・マテリアルグループ 奥原 芳樹
Tel : 052-871-3500、Fax:052-871-3599
E-mail : okuhara@
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