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太陽熱レシーバ評価のための人工光源シミュレータ開発 〜太陽光から熱への変換効率を正しく測るための、世界初の評価技術〜


 本研究成果は、7月4日(東京;東大武田ホール)、7月11日(名古屋;愛知県産業労働センター(ウインクあいち))及び7月25日(大阪;大阪大学中之島センター)に開催するJFCC/2014年度研究成果発表会で発表いたします。


 なお、この成果は、経済産業省/三菱総合研究所「新エネルギー等共通基盤整備促進事業」の委託業務の結果得られたものです。

 クリーンなエネルギー源として太陽光の活用が期待されています。日本国内では太陽光から「電気」を作る太陽光発電の導入が主に進められていますが、海外では太陽光から「熱」を作り出して活用する動きがあります。国内でも太陽熱温水器(100℃未満)などの技術がありますが、それより高い温度の熱源を作り出すことで利用分野が飛躍的に拡がり、その熱を産業プロセス、発電や燃料合成など様々なエネルギー形態として活用できます。

 太陽光から高温の熱源を作り出す原理は、虫眼鏡で光を集めて紙を燃やせる仕組みと同じです。広く普及している集光方式「トラフ型」では、雨どい型のミラーで線状に光を集めて、その集光ラインに「レシーバ(集熱管)」と呼ばれる長さ約4mの管を配置します。太陽熱発電プラントでは、このミラーとレシーバを何十kmも繋げ、そのレシーバの中にオイルなどの熱媒体を流して400℃程度まで加熱し、その熱で発電タービンを回して発電できます。

 この太陽熱システムにおいて、太陽光を熱に変換するキーデバイスは「レシーバ」であり、その変換効率が重要です。まず、真空断熱のためにガラス管で覆われています。その内部のステンレス管表面には、太陽光を90%以上吸収できるとともに、加熱された表面から熱(赤外線)を逃がさない特殊な膜(選択吸収膜)が形成されます。

 太陽熱発電プラントなどは大規模な設備になるため、このレシーバの変換効率を数%向上できるだけで設備費用を大きく削減できます。ところが、このレシーバの変換効率を正確に測定できる技術がこれまでありませんでした。屋外にて10mほどの長さでミラーとレシーバを一式揃えたフィールドテストも試みられていますが、自然の太陽光のため日射量が変動し、集光ミラーの精度も不確定なため、レシーバ効率を正確に測ることは難しいようです。また、ドイツ航空宇宙センターなどでは人工ソーラー光源によるレシーバ性能評価を試みていますが、ある標準サンプルに対して良いか悪いかという相対比較しかできないようです。

 そこで、JFCCでは、このレシーバの性能向上を目指した材料開発に加えて、その変換効率を正確に測定するシステム技術として、人工ソーラー光源による太陽熱シミュレータの開発を進めています。光源にXeランプを使うことで太陽光に近いスペクトルを作ることができますが、長さ4m×太さ70mmという細長い管に対してライン状に高倍率の集光状態を作り出す技術がありませんでした。ランプ配置やレンズ設計により、トラフ型に近い光の入射角度なども考慮してライン集光を可能としました。さらに、その集光ラインの光の強さの分布を計測することで、レシーバへの「入力エネルギー」を測定可能としました。一方、このレシーバに熱媒体を流して入口と出口での温度差から回収熱量つまり「出力エネルギー」も測定できます。この「入力」「出力」エネルギーの比から変換効率を求められます。

 この太陽熱シミュレータの活用によりレシーバの変換効率を正確に測れるようになれば、レシーバの効率向上を目指した部材開発を支援できるだけでなく、そのレシーバ性能データをもとにプラントの最適設計に反映させることで太陽熱利用システム全体のコスト低減にも貢献できると期待しています。

 日本国内では集光に適した直達光に恵まれていないという背景もあり、集光型の中高温太陽熱の分野では世界に先行されてきました。しかしながら、太陽熱などのクリーンな再生可能エネルギーから海外で燃料を作って国内に輸入するなどのアイデアも生まれつつあり、日本の技術力を結集させてエネルギー問題の解決に貢献できる道筋が見えつつあります。その中で、JFCCも材料開発と評価技術の両面で貢献していきたいと思います。

[ 用語説明 ]
・レシーバ(集熱管) 環境電子顕微鏡:対象試料をガス中に保持したまま観察することが可能な電子顕微鏡。通常の電子顕微鏡では真空中で試料が保持されガス中での観察不可能であるが、環境電子顕微鏡では試料近傍のみにガスを封じることにより観察を可能としている。
・選択吸収膜 触媒電極:燃料電池において利用される電極。触媒機能を有する貴金属ナノ粒子と電気伝導性をもつカーボン材料により構成されアノード、カソードそれぞれを構成する。



太陽熱利用システムのイメージ図



人工ソーラー光源による太陽熱シミュレータの構想図・概観

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