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リチウムイオン二次電池用LiCoPO4正極膜の充放電による劣化メカニズムの解明に成功 〜次世代のリチウムイオン電池の性能向上に寄与〜

本研究の【概要詳細

1.現状
 リチウム(Li)イオン二次電池は、正極、負極の間に電解質を介してLiイオンが移動することにより充放電反応が進行します。LiCoPO4正極材料は、平均放電電圧が4.8Vと高く、次世代の高エネルギー密度電極材料として期待されていますが、充放電の繰り返しにより電池の容量が低下することが報告されており、その劣化メカニズムについては明らかになっていません。


2.本研究の成果
 ファインセラミックスセンターの幾原研究員らは、東京大学とトヨタ自動車と共同で、充放電前後のLiCoPO4正極膜試料を走査透過型電子顕微鏡(注1)で解析することにより、充放電による電池の劣化メカニズムを明らかにすることに成功しました。
 化学溶液法(注2)により配向したLiCoPO4正極膜を作製し、充放電前後の正極膜試料について、走査透過型電子顕微鏡を用いて構造解析を行いました。その結果、充放電により、正極膜表面から5nmの範囲で、一部のLiサイトに、原子サイズの大きなCo原子が置き換わっていること(破線丸)、酸素の欠損によりリン酸(PO4)四面体構造が歪むことが判明しました(右図参照)。これらの構造劣化がLiイオンの移動を阻害し、電池容量が低下する電池劣化のメカニズムであることを明らかにしました。このように電池材料の構造と特性との相関性を解析することにより、電池表面構造の改善に向けたプロセス設計に指針が得られ、長寿命で高機能な二次電池材料開発に繋がることが期待されます。

LiCoPO4正極膜のHAADF-STEM像


3.今後の展開
 充放電による構造安定性に優れた次世代二次電池正極材料の研究開発を加速できるように研究を進めていきます。これらの成果は、リチウムイオン二次電池の性能向上に向けての電池材料の表面構造制御、界面設計に役立つものと期待されます。

※本研究は、トヨタ自動車との共同研究の成果であります。また、本研究の一部は、NEDO委託事業「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(RISING II)、JSPS科研費「基盤研究C」(課題番号JP26420693)の一環として実施した結果から得られた成果です。
※本成果は2017年5月21日に、英国王立化学会「Journal of Materials Chemistry A」に掲載されました。


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研究担当者
ナノ構造研究所 電池材料解析グループ 幾原裕美

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