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次世代航空機エンジン用耐熱材料の保護膜中の特異な物質移動を解明
〜保護膜の構造最適化による耐熱材料の耐久性向上や寿命予測に展開〜

本研究の【概要詳細

1.現状
 航空機エンジン用耐熱材料(注1)は、高温の酸素や水蒸気といった腐食性が強いガスを含む燃焼環境下で使用されるため、腐食性ガスに対して遮蔽能力が高く、減肉しにくい酸化物の保護膜をコーティングすることが不可欠です。実環境下においては、保護膜の外表面と内部の耐熱材料との間に酸素と水蒸気の濃度勾配が発生し、保護膜内では物質移動(保護膜を構成する元素のイオンの移動)が生じます。この結果、保護膜の組成が変化し、保護膜の剥離や崩壊が生じることにより、内部の耐熱材料が激しく腐食・劣化する原因になります。したがって、耐熱材料を長期間使用できるようにするためには、保護膜中の物質移動を正しく理解し、これを抑制することが求められます。しかしながら、実際の使用環境を考慮して、保護膜中の物質移動を明らかにした研究はほとんどありませんでした。


2.本研究の成果
 JFCCが独自に開発した酸素同位体(18O,注2)ガスを用いた高温酸素透過法により、耐熱材料の保護膜の候補素材について、実際の使用環境を模擬してその物質移動を評価しました。その結果、ムライト(注3)においては、予想通り酸素濃度勾配の付与によって材料中の酸素の拡散が促進されることを確認しました。一方で、定比化合物(注4)であるYb2Si2O7(注5)やAl2O3(注6)では、通常の予想とは逆に、酸素濃度勾配の付与によって酸素の拡散が抑制されるという非常に特異な現象を世界で初めて明らかにしました。

図1:1400℃で熱処理後のYb2Si2O7の断面の18O濃度分布。白い部分は18Oの濃度が高いことを示す。
酸素濃度勾配を付与した方がより内部まで18Oが浸透していることが確認できる。

3.今後の展開
 高温酸素透過法で得られたデータを利用して酸素や水蒸気に対する遮蔽性と化学的安定性を両立した保護膜構造を設計し、長期間使用可能な航空機エンジン用耐熱材料の開発に役立てるとともに、その寿命予測に展開します。


本研究成果は、下記に開催の2018年度JFCC研究成果発表会で発表しました。
  7月6日(金)(東京会場:東京大学武田先端知ビル武田ホール)
  7月13日(金)(名古屋会場:愛知県産業労働センター(ウインクあいち2F、5F))
  7月20日(金)(大阪会場:梅田スカイビル(タワーウエスト36F))

本成果は2017年8月15日および2018年6月1日にElsevier「Acta Materialia」に掲載されました。


本研究の詳細はこちら
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研究担当者
材料技術研究所 高信頼性材料グループ 和田匡史

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