2018年度

JFCC研究成果集

未来社会を創出する革新材料開発と先端解析技術

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R-10
2018

次世代パワー半導体材料
酸化ガリウムβ-Ga2O3単結晶の評価




課題
Ga2O3結晶成長条件の最適化及びGa2O3パワー素子の故障解析には、単結晶基板やエピタキシャル層に内在する結晶欠陥の評価技術が必要不可欠である
⇒対称性の低い単斜晶であるため、欠陥が多種多様で分類困難
⇒低コストで簡易に欠陥を検出・分類するエッチピット法が無い

解決手段
・放射光X線トポグラフィによる正確かつ非破壊の転位検出・分類方法の確立
・Ga2O3エッチピット欠陥検出・分類法の確立
 ⇒ Ga2O3における多様な転位、積層欠陥を検出・分類

成果・優位性
(1) 放射光X線トポグラフィにおいて、複数の回折条件で、バーガースベクトルが[010]bの貫通転位およびa、b、c成分を全て有する混合転位を検出した
(2) 溶融アルカリ腐食液を用いたエッチングで、広い面積(10mm□)の欠陥をエッチピットとして検出し、ピットの大きさや形状で分類することに成功した


実験方法 ・放射光X線トポグラフィ:放射光施設KEK-PF、X線波長0.9〜2.0Å
 回折g= -6 0 3、g= -6 2 3、g= -12 0 0、g= 0 2 0
・化学エッチング:溶融KOHをベースとした腐食液、300〜500℃、1〜10分

エッチピット像

複数の回折で撮影したX線トポ像の比較



期待される市場・応用
Ga2O3結晶の転位低減とGa2O3パワーデバイスの故障原因同定

発表文献
Y. Yao, Y. Sugawara, et al., 国際会議IWGO-2@Italy, 2017

謝辞 本研究は、JSPS科研費JP16K17516より助成を受けて実施したものである


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