2020年度

JFCC研究成果集

マテリアル革新力を支える新材料開発と先端解析技術

5研究成果 / 革新将来機能材料

R-27

2020

Bi系複合アニオン光触媒における高活性メカニズム

課題

可視光に応答する光触媒により、水の分解反応による水素エネルギー生成が可能となるが、高活性かつ高耐久性の光触媒材料の開発が課題
 ⇒高活性メカニズムを解明し、開発指針を得る手法の高度化が必要

解決手段

・光により生成した励起電子の振舞いが点欠陥に強く影響されることに着目

・Bi系複合アニオン材料であるBi4NbO8ClとBiOClの対比検討

・第一原理計算により、点欠陥が電子を捕捉する強さを定量的に評価

成果・新規性

・Bi4NbO8ClとBiOClにおける酸素空孔の電子捕捉挙動に著しい差異

・Bi4NbO8Clにおける励起電子は非局在化する傾向 ⇨ 還元反応を促進

・Bi系材料の励起電子の非局在化は[Bi2O2]ブロックの積層構造が起源

・解析方法: 第一原理計算

期待される市場・応用

・光触媒材料、発光材料における光応答特性の解明および制御

・半導体やイオン伝導体におけるドーパント、不純物およびキャリアの制御

謝 辞:本研究は、JSPS科研費新学術領域「複合アニオン化合物の理解:化学・構造・電子状態解析」(16H06440)の一環として実施されたものである。