2022年度

JFCC研究成果集

新時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

3研究成果 / 先進微構造解析・処理技術

R-14

2022

SDGs9

透過EBSD法を用いたGdBa2Cu3Oy​超電導層の歪および欠陥構造解析

SDGs9

アピールポイント

結晶欠陥の検出と欠陥構造の半定量的な歪解析
【技術シーズ:透過EBSD法によるWilkinson歪解析】

課題

・通常の反射EBSD法(バルク試料)では空間分解能が低いため、個々の結晶欠陥に対応する歪検出は不能

解決手段

・試料内部での電子ビームの広がりを抑えるため、集束イオンビーム(FIB)法を用いて、透過型電子顕微鏡用薄片試料を作製​

・薄片試料の厚みを可能な限り均一に仕上げ​

・薄片試料表面のFIBダメージ層(※)除去
(※)セラミックス材料:アモルファス相、金属材料:転位ループ

・透過EBSD法によるWilkinson歪解析を実施

R. R. Keller and R.H. Geiss,
J. Microscopy, Vol. 245, 245-251(2012).

成果・優位性

・金属基板上に形成された2軸配向GdBa2Cu3Oy超電導層内部の双晶欠陥((110)面)および面欠陥(Gd-rich面)の歪を半定量解析​

・透過型電子顕微鏡により結晶欠陥を同定

・実験方法:SEM JSM-7800F prime、EBSD Digiview V EBSD System、TEM JEM-F200

双晶欠陥((110)面)の歪マップ
c面の歪マップ
EBSD測定領域のTEM像

期待される市場・応用

・セラミックス、金属等、結晶材料に導入された欠陥の歪解析​

謝 辞:本研究は、JST、未来社会創造事業、JPMJMI17A2の支援を受けたものである。