2022年度

JFCC研究成果集

新時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

4研究成果 / 次世代エネルギーデバイス

R-19

2022

SDGs9

固体電解質CeF3におけるフッ化物​イオン伝導の第一原理計算

SDGs9

アピールポイント

室温動作イオン伝導体となり得る無機結晶の探索​
【技術シーズ:第一原理計算/遷移状態探索】

課題

・フッ化物シャトル二次電池は次世代二次電池の有力候補の一つ​​

・全固体電池化にはフッ化物イオン伝導性に優れた固体電解質の開発が不可欠​

解決手段

・第一原理計算を用いた無添加CeF3およびSrF2添加CeF3における欠陥形成エネルギーの評価とイオン伝導担体の決定​​

・遷移状態探索法を用いてSr添加CeF3におけるフッ化物イオン拡散の素過程の解明と長距離拡散におけるボトルネックの特定​

成果・新規性

・無添加CeF3におけるフッ化物イオン空孔の移動エネルギーは0.08~0.22 eV​
→ LaF3中のフッ化物イオン空孔は拡散しやすい電荷担体

・Sr添加CeF3におけるフッ化物イオン空孔はSr近傍で移動エネルギー障壁が非常に高い。​
→ ドーパント添加の最適化によりイオン伝導度向上の可能性

・計算方法: 平面波基底PAW法、VASPコード

解析したSr添加CeF3におけるc軸方向の
フッ化物空孔の拡散経路の一つ
無添加CeF3での移動素過程と左図経路でのSr添加CeF3におけるフッ化物イオン空孔の移動に伴うエネルギー変化

期待される市場・応用

・全固体フッ化物イオン二次電池

謝 辞:本研究は、NEDO「電気自動車用革新型蓄電池開発(JPNP21006)」において実施されたものである。