2022年度

JFCC研究成果集

新時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

4試験評価技術 / 電気特性

T-19

2022

SDGs

多層構造のGHz帯複素誘電率および温度依存性評価技術

SDGs

技術のポイント

多層構造における各層の複素誘電率(ε’-iε’’)を導出する自由空間法Sパラメータ評価+新解析プロセスを構築

保有設備

測定Sパラメータから複素誘電率を導出
従来:単一材料のみ導出可能
新規:多層構造でも導出可能

ネットワークアナライザ(5~110 GHz)

電気炉(大気中、室温~1,000 ℃)

成果例

誘電体の多層構造モデルをもとに
電磁波反射/透過Sパラメータを
シミュレーションできる計算方法を構築


実験:VO2膜/SiO2基材のSパラメータ測定

計算:VO2膜のみの複素誘電率を分離・導出

VO2膜の「複素誘電率温度応答性」導出に成功

VO2膜の複素誘電率「温度変化」の解釈

(1) 温度upにより金属相となり自由電子密度up
(2) プラズマ周波数ωpが高エネルギー/高周波側へシフト(右図)
(3) ε‘, ε‘’ 全体も高周波側へシフトし上図の傾向と一致

Drude自由電子モデル

Lorenz振動子モデル

適用分野

・多層の電波透過材/吸収材などの複素誘電率+温度依存性の評価

・セル内の気相/液相、層間剥離複合材等の複素誘電率を分離解析

謝 辞:本データ解析は、NEDO委託事業「電磁波によるプロセスセンサー装置の研究開発」の一環として実施されたものである。