2024年度

JFCC研究成果集

グリーンイノベーションを推進する次世代マテリアル開発と解析技術

3試験評価技術 / 熱的特性

T-17

2024

SDGs

高温X線回折を用いた​粉末試料の熱膨張率評価技術​

SDGs

技術のポイント

通常、熱膨張率測定はバルク試料を用意する必要があるが本手法では粉末試料にて熱膨張率評価を行うことが可能​

保有装置

仕様

X線出力  :45 kV、40 mA

制御温度  :R.T.~1200 ℃

試料加熱  :間接加熱方式

ヒーター  :W(タングステン)

温度測定  :Pt 10 % RhPt熱電対

最大圧力  :大気圧+1 bar

測定範囲  :0~164°(2θ)

試料皿   :Al2O3 (標準)

試料台   :Al2O3

試料サイズ :粉末(バルク試料の場合、最大φ16×2 mm程度)

試料雰囲気 :真空(10-4 mbar)、大気、不活性ガス(N2、Ar)

標準粉末  :Si粉末

HKT1200N(Anton Paar製)

活用/成果例


LaAlO3粉末の平均線膨張率測定結果

Siピーク位置より試料全体の位置補正を行い、LaAlO3のピークから各軸の格子定数を算出する。得られた格子定数の値からLaAlO3の体積膨張率(β)を求め、その値を「β≒3α」の関係式より線膨張率(α)に変換する。​

本手法は粉末で実施するため、難焼結材料や粉末試料が少量(数g程度)であっても測定可能
また、本手法は各結晶軸方向での熱膨張率を分離して評価することが可能​

適用分野

・難焼結性材料

・特定の結晶方位を有する組織

・遮熱コーティング材料、断熱膜 等​