プレスリリース

Press Releases

【論文情報】

(1) Y. Yao, K. Hirano, Y. Sugawara, K. Sasaki, A. Kuramata, and Y. Ishikawa, Observation of dislocations in thick β-Ga2O3 single-crystal substrates using Borrmann effect synchrotron x-ray topography, APL Mater. 10, 051101 (2022). (Editor’s Pick) [DOI:10.1063/5.0088701]

(2) Y. Yao, Y. Tsusaka, K. Sasaki, A. Kuramata, Y. Sugawara, and Y. Ishikawa, Large-area total-thickness imaging and Burgers vector analysis of dislocations in β-Ga2O3 using bright-field x-ray topography based on anomalous transmission, Appl. Phys. Lett. 121, 012105 (2022). (Featured Article) [DOI:10.1063/5.0098942]

【謝辞】

 放射光実験の一部は、SPring-8 兵庫県ビームラインBL24XU(課題番号2021B3055)にて行いました。
 本研究の一部はJSPS科研費20K05355、経済産業省 戦略的基盤技術高度化支援事業JPJ005698、公益財団法人 村田学術振興財団、公益財団法人 日本板硝子材料工学助成会、公益財団法人 大倉和親記念財団、防衛装備庁 安全保障技術研究推進制度JPJ004596の支援を受けて実施されました。

【用語説明】

(注1)β型酸化ガリウム

 日本発の新材料で、次世代の低コスト、省エネ、高耐圧電子デバイス用半導体として注目を集める。

(注2)パワーデバイス

 整流ダイオード、パワートランジスタなど、電力変換・制御用半導体素子のこと。

(注3)格子欠陥

 本来、理論上では原子が規則正しく配列するはずの結晶にある、原子配列が乱れて空間的な繰り返しパターンに従わない部分。格子欠陥が含まれるとパワーデバイスの性能と信頼性が低下する。

(注4)X線回折

 原子が規則正しく配列している結晶性物質に、原子の間隔と同程度の波長を持つX線が入射すると、特定の方向で強いX線が観察される現象

(注5)異常透過現象

 本来X線に対して不透明な厚い結晶に、ブラッグの法則を精密に満たすX線が入射すると、前者があたかもX線と相互作用をしない透明な物質かのようになる現象

(注6)バンドギャップ

 結晶のバンド構造において電子が存在できない領域

(注7)絶縁破壊電界強度

 物質にある値以上の電界をかけると、物質が急激に絶縁性を失い、大電流が流れるようになる。この限界となる電界強度を絶縁破壊電界強度といい、大きいほど物質がより高い電界に耐えられる。

(注8)X線トポグラフィ観察法

 X線回折を利用して、結晶内の欠陥や結晶面湾曲などを2次元マッピング画像として撮影・観察する方法

(注9)ブラッグの法則

 X線の波長と入射角がある決まった条件を満たすと、X線回折が強くなるという物理法則

(注10)EFG法

 edge-defined film-fed growth法の略。現在、最も注目されるβ-Ga2O3のバルク結晶の育成方法

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研究担当者
材料技術研究所 姚永昭(やおよんちゃお)