2017年度

JFCC研究成果集

科学技術イノベーションを推進する革新材料開発と先端解析技術

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R-7
2017

耐環境性保護膜における応力下ラマンスペクトルの理論計算


技術のポイント

第一原理計算を用いて応力下におけるラマンスペクトルの挙動を解明

基礎研究


背景
次世代航空機エンジンの耐環境性保護膜として使用されるYbシリケート膜において、残留応力や組成の非破壊測定にラマン分光の活用が期待される。しかし、応力下でのラマンスペクトルの挙動は不明である

目的
第一原理計算を用いて、Yb2Si2O7の静水圧下でのラマンスペクトルの挙動を明らかにし、ラマン分光の応力測定への活用性について検討する

成果
(1) 計算によって得られた理論ラマンスペクトルは実験と概ね一致
(2) ラマン活性モードに対応する振動の特徴を抽出
低振動数域(<200cm-1):Yb原子の振動
高振動数域:[Yb2O7]ユニット内の振動
(3) 900cm-1以上のラマンピークはシフト量が大きく、高感度な応力測定に有効


計算方法: PAW法を用いた密度汎関数理論(VASPコード)
Yb2Si2O7のラマンスペクトル(実験と計算の比較)
Yb2Si2O7のラマンスペクトルの圧力依存性



期待される適用分野
耐環境性保護膜の健全性モニタリング

謝辞 本研究は総合科学技術・イノベーション会議のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)
「【革新的構造材料】」(管理法人:JST)の一環として実施したものである



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