2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

3研究成果 / 次世代エネルギーデバイス

R-19

2021

SDGs7

Li過剰系正極材料におけるLi脱離界面の原子構造解析

SDGs7

アピールポイント

Liイオン電池正極開発への応用が期待できるメカニズム解析
【技術シーズ:原子分解能STEM】

課題

・Li過剰系層状酸化物は次世代正極として有望だが、充放電による劣化が大

・劣化の抑制に取り組むにはLi脱離(充電)過程の原子レベルでの理解が必要

・Li脱離界面の解析が必要だが、ナノスケールの非常に狭い領域のため困難

解決手段

・Li2MnO3単結晶とFIB加工の組み合わせによりLi脱離界面解析に適した薄片を作製し、原子分解能STEMを用いて直接観察

成果・新規性

・Li2MnO3正極材料内部のLi脱離界面の原子構造を決定し、酸素放出と転位の上昇運動が協調する特異なLi脱離過程を発見

・実験方法:集束イオンビーム(FIB)加工、走査透過電子顕微鏡法(STEM)

STEM試料作製手順
Li脱離界面から得られた環状明視野STEM像および歪みマップ

期待される市場・応用

・二次電池の更なる高容量化および長寿命化のための材料設計指針の提供

発表文献

K. Nakayama, R. Ishikawa, S. Kobayashi, N. Shibata, and Y. Ikuhara, Nat. Commun., 11, 4452 (2020).

謝 辞:本研究は、NEDO「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(RISING2)」(JPNP16001)の一環として実施されたものである。

プレゼンテーション動画

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