2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

3研究成果 / 次世代エネルギーデバイス

R-20

2021

SDGs7

電気化学測定に連動した亜鉛電極表面反応のその場観察

SDGs7

アピールポイント

電析反応のモニターとミクロな挙動の相関解析
【技術シーズ:透過電子顕微鏡による液中その場観察】

課題

蓄電池の長寿命化、大容量化は我々の生活において必要不可欠な課題

・次世代の蓄電池として実用化が期待される亜鉛空気電池の充放電サイクル過程における劣化機構の詳細は不明

電気化学測定データと電極表面における反応の相関関係も不明

解決手段

・白金電極への亜鉛電析反応を透過型電子顕微鏡内で再現および観察

液中観察ホルダー内で電析反応をモニターすることで、電気化学測定データと電極上でのミクロな挙動をリンク、相関関係を調査

成果・新規性

・電気化学測定データとミクロスケールの亜鉛析出挙動を再現性良く連動させることに成功

・亜鉛析出時の過電位の増大は裸白金電極への水素吸着などが原因であることが判明

・実験方法:透過電子顕微鏡

亜鉛電析/溶出のクロノポテンショグラム
対応するTEM像

期待される市場・応用

・電解液中における電析反応の可視化

・金属電池の充放電劣化挙動の解析

・マイクロメートルオーダーの変化を伴う液中電気化学反応の可視化など

発表文献

Yuki Sasaki et al., J. Power Sources, 481, 228831, (2021).

謝 辞:本研究はNEDO「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(RISING2)(JPNP16001)」において実施されたものである。