2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

5研究成果 / 高精度性能予測計算科学

R-30

2021

SDGs9

MAS-NMRと第一原理計算の併用による結晶内微量元素の局所構造解析

SDGs9

アピールポイント

極微量成分の第一原理計算による配位環境解析
【技術シーズ:NMR分析の第一原理計算】

課題

・微量添加元素の配位環境の決定は、一般に困難

解決手段

Al添加Y2Ti2O7 を対象に、

・第一原理計算を実施し、添加元素のNMRパラメータを取得

・得られたパラメータからNMRスペクトルを計算し、実験結果と比較

成果・新規性

・NMR分析によりY2Ti2O7 に添加された1 cation% Alを検出

・測定されたスペクトルの線形は、AlTi の計算スペクトルにほぼ一致

・A2Ti2O7 (A = Yb3+-La3+)のNMRパラメータを系統的に予測

 →実験と計算の連携が、微量添加Alの配位環境の決定に有効

・実験方法:電子状態計算、NMRスペクトルシミュレーション、NMR測定

註. ヘキサアクアアルミニウム(III)イオンを化学シフトの基準に選び, 計算ではイットリウム・アルミニウム・ガーネットのアルミニウム(6配位)イオンを第二基準に選んだ。

期待される市場・応用

・結晶内に固溶する各種微量元素による機能発現機構の予測

・ハイエントロピー材料の局所構造の解析

謝 辞:本研究は、JSPS科研費新学術領域研究「機能コア科学」(JP19H05792)の支援を受けて実施されたものである。