プレスリリース

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 住宅やビルなどの建物の断熱効果を高めるため、壁の中に断熱材を入れる方法がよく使われているが、さらに熱の伝わりにくい断熱壁材を開発することができれば、建物全体の省エネ効果は著しく高まる。JFCCではNEDOの委託を受けて、新たな断熱材料の開発に取り組んでいる。具体的には、細かな(ナノオーダー)孔を大量に導入した多孔質セラミックス技術を使い、建物の壁や床などに応用する断熱材を開発している。セラミックスの多孔体そのものが熱を伝えにくい上、セラミックスにあけられた孔の中を真空にすることで断熱効果は著しく高まる。また、ナノオーダーの多孔構造を精密に制御すると光が透過するので、窓ガラスの中に挟み込んで断熱ガラスとしての開発も進めている。最近、真空や各種の雰囲気中で熱伝導率(熱の伝わりやすさ)の精密に測定する装置(写真)を導入し、1~10Paの真空度において0.001~0.003W/mKという極めて小さな熱伝導率の値を実測することができた。なお、一般に使われている断熱壁材の熱伝導度は0.03、空気は0.02、ガラスは0.8であるので、上記の多孔質セラミックスの断熱性能はそれらに比べて著しく優れている。

熱伝導率測定装置

JFCCに新規導入された超断熱材料の熱伝導率測定装置。この装置を使って、ナノ多孔質セラミックスの真空中における正確な熱伝導率を測定している。0.001~0.002W/mK(空気は0.02)という極めて小さな熱伝導率をもつセラミックスが発見できている。

 本研究成果は、7月17日(名古屋、名古屋国際会議場)および7月24日(東京、科学技術館)で開催した JFCC 2008年度研究成果発表会 にて報告いたしました。

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