プレスリリース

Press Releases

掲載論文

※a タイトル:Visualization of Lithium Transfer Resistance in Secondary Particle Cathodes of Bulk-Type Solid-State Batteries
(バルク型全固体電池の正極二次粒子内部におけるリチウム移動抵抗の可視化)

著者:Yuki Nomura, Kazuo Yamamoto, Tsukasa Hirayama, Emiko Igaki and Koh Saitoh

掲載誌:ACS Energy Letters 5, 2098-2105 (2020)

DOI:10.1021/acsenergylett.0c00942

※b タイトル:Dynamic Imaging of Lithium in Solid-State Batteries by Operando Electron Energy-Loss Spectroscopy with Sparse Coding
(スパースコーディングを取り入れたオペランド電子エネルギー損失分光法による全固体電池内部のリチウム動的観察)

著者:Yuki Nomura, Kazuo Yamamoto, Mikiya Fujii, Tsukasa Hirayama, Emiko Igaki and Koh Saitoh

掲載誌:Nature Communications 11, 2824 (2020)

DOI:10.1038/s41467-020-16622-w

 本研究は、日本学術振興会 科学研究費補助金(JP 17H02792)の支援を受けて行われたものです。

研究グループ研究者所属

山本和生、平山司 (一般財団法人ファインセラミックスセンター ナノ構造研究所 電子線ホログラフィーグループ)
野村優貴、藤井幹也、井垣恵美子 (パナソニック株式会社 テクノロジー本部)
齋藤晃 (名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授)

用語説明

※1 走査透過電子顕微鏡法

 高いエネルギーで加速した電子を、電子レンズを用いて細く絞り、試料面上を走査しながら透過した電子を検出することで、試料の拡大像を得る電子顕微鏡法。ナノメートルスケールの局所領域の原子構造評価や組成分析を行うことができる。

※2 AI 的高度画像解析法

 画像やデータを機械的に学習することでその特徴量を抽出し、その特徴量を利用してノイズなどを効果的に除去することで、画像やデータを高画質化する解析手法。圧縮センシングやスパースモデリング、ディープラーニングなどの種類があり、本研究ではスパースコーディングと呼ばれるコンピューターアルゴリズムを用いた。

※3 全固体電池

 正極、固体電解質、負極材料のすべてが固体セラミックスで構成される二次電池。充放電に利用するイオンの種類によって、全固体リチウムイオン電池や全固体ナトリウムイオン電池などと呼ばれる。

※4 バルク型全固体電池

 塗工法などの簡便なプロセスによって作製される電極層厚さが数10~数100μm程度の大型の全固体電池。車載などの大容量な用途での使用が想定されている。

※5 薄膜型全固体電池

 主にスパッタ法などの真空プロセスによって作製される電極層厚さが0.1~数μm程度の小型の全固体電池。携帯用電子機器やIoT 機器などの軽量かつ小型な用途での使用が想定されている。

※6 オペランド走査透過電子顕微鏡解析技術

 走査透過電子顕微鏡内で、デバイスなどを実環境に近い条件で駆動させながら動的に分析・解析を行う技術。充放電時における電池内部の挙動を、ナノメートルスケールで観察・評価することができる。

※7 硫化物系固体電解質

 イオンが伝導する固体セラミックスを一般に固体電解質と呼び、特に、硫化物で構成されている固体セラミックスを硫化物系固体電解質と呼ぶ。イオン伝導率が高いセラミックスとして注目されている。

※8 一次粒子、二次粒子

 粉体を構成する最も微小な固体を一次粒子と呼ばれており、また、たくさんの一次粒子がくっついて凝集したものを二次粒子と呼ばれている。

※9 電子エネルギー損失分光法

 電子が試料内部を透過する際に失ったエネルギーを計測し、材料中の元素や電子状態を分析する電子顕微鏡手法の一つ。リチウムのような軽元素を検出するのに有効な解析技術。

関連情報

・次世代電池内部のリチウムイオンの動きを充放電中に可視化する技術を開発(2018 年9 月3 日)
 https://www.jfcc.or.jp/press/r18_6.html
・パナソニック株式会社
 https://www.panasonic.com/jp/home.html
・名古屋大学 未来材料・システム研究所
 https://www.imass.nagoya-u.ac.jp

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研究担当者
ナノ構造研究所 電子線ホログラフィーグループ 山本和生(やまもと かずお)