2020年度

JFCC研究成果集

マテリアル革新力を支える新材料開発と先端解析技術

1研究成果 / 革新複合材料・機能材料

R-12

2020

酸素吸蔵材料YBaCo4O7+δの原子構造解析

課題

・酸素ガスは鉄鋼工業等の多くの分野で使われており、低炭素社会への実現に向け、低コスト・低エネルギーでの酸素製造技術が望まれている。

・酸素吸脱着材料を用いる酸素製造技術が注目されているが、酸素貯蔵能力と放出特性は未解明な部分が多く、材料の設計指針が確立できていない。

解決手段

・走査透過電子顕微鏡(STEM)法を用いて、原子分解能レベルで酸素吸脱着材料中の結晶構造と酸素貯蔵能力の関係を解明

成果・新規性

・酸素吸脱着材料YBaCo4O7+δ 中の欠陥構造が焼成温度の違いにより変化することを原子分解能レベルでの観察で明らかにした。

・YBaCo4O7+δ 中の欠陥構造が酸素吸収量を低下させる要因であり、欠陥構造制御により酸素吸蔵性能を向上させる可能を示すことに成功

・実験方法: 走査透過電子顕微鏡

酸素吸脱着材料YBaCo4O7+δの焼成温度の違いによる欠陥構造観察結果

期待される市場・応用

・酸素貯蔵と放出特性のメカニズム解明による酸素吸脱着特性の向上

・高効率・低コスト酸素製造プラント

謝 辞:本研究は、SIP「高速酸素吸脱着材料による革新的排熱利用酸素製造装置」で実施されたものである。