2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

3研究成果 / 次世代エネルギーデバイス

R-16

2021

SDGs7

SOEC・SOFCの酸素極界面構造に及ぼすTiO2添加の効果

SDGs7

アピールポイント

界面高抵抗相形成の抑制メカニズム解析
【技術シーズ:界面制御技術】

課題

・SOECやSOFCの特性には電極・電解質の材料特性のみならず、電極/電解質界面で形成される高抵抗相も大きく影響

・酸素極側界面に反応防止層(中間層)を導入しても高抵抗なSrZrO3が形成

解決手段

・酸素極から抜け出るSrが中間層/電解質界面に到達する前にゲッタリング

・Srゲッターとして、ZrよりもSrとの親和性が高いTiに注目

成果・新規性

・酸素極にTiO2を添加することで界面に生成するSrZrO3を制御可能

・TiO2とSrが反応し、SrTiO3を形成することで、Srをゲッタリング

・中間層/電解質界面でのSrZrO3形成量が減少(図1)→ 発電特性向上(図2)

図1 酸素極側界面のSEM/EDS分析
図2 SOFCモードでの発電特性評価

期待される市場・応用

・SOEC・SOFCの高性能化・高耐久化

・センサーや触媒などの電気化学デバイスの界面制御

謝 辞:本研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託業務「水素利用等先導研究開発事業/水電解技術高度化のための基盤技術研究開発/高温水蒸気電解技術の研究開発」(2018年度~)で実施したものである。