2021年度

JFCC研究成果集

脱炭素イノベーションをめざした革新材料開発/解析技術

4研究成果 / 画期的微構造解析・処理技術

R-26

2021

SDGs9

X線回折と理論計算を用いた添加元素近傍結晶構造の精密解析

SDGs9

アピールポイント

高分解能X線回折と理論計算による精密な結晶構造解析
【技術シーズ:高分解能X線回折+第一原理計算解析】

課題

電子伝導性を付与するためLaやNbなどを添加したペロブスカイト酸化物SrTiO3は固体物理学や産業応用まで幅広く研究されている材料

・添加元素によりSrTiO3の格子定数が膨張することは知られているが、添加元素近傍での結晶状態は良く理解されていない。

解決手段

・単結晶を用いた高分解能In-plane X線回折測定と第一原理計算による構造モデルを組み合わせた解析

成果・優位性

・高分解能In-plane X線回折によりCTR散乱の影響を減少させることで、格子膨張と格子収縮に由来する回折強度の計測に成功

・添加元素近傍では格子が膨張し、その周囲ではX線回折測定より示唆された格子収縮領域が形成することを理論計算モデルにより解明

・実験方法:In-plane X線回折法、第一原理計算

①高分解能In-plane X線回折測定
②理論計算構造モデル

用語説明:CTR(Crystal Truncation Rod)散乱とは単結晶などの平滑な結晶表面からの散乱

期待される市場・応用

・酸化物エレクトロニクスや半導体分野の精密結晶構造解析による性能向上

発表文献

S. Kobayashi, Y. Ikuhara, T. Mizoguchi, Phys. Rev. B 98, 134114 (2018).

謝 辞:本研究は、JSPS科研費(17K14119, 25106003, 26249092, 17H06094)、また、本研究の一部を、東京大学微細構造解析プラットフォーム(12024046)により実施したものである。