2023年度

JFCC研究成果集

GX時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

2研究成果 / 次世代電池

R-10

2023

SDGs7

チタン酸リチウムランタン単結晶による高リチウムイオン伝導の実証

SDGs7

アピールポイント

従来の酸化物固体電解質で最高のリチウムイオン伝導実現
【技術シーズ:走査電子顕微鏡、インピーダンス測定】

課題

・次世代リチウムイオン二次電池として安全で化学的に安定な酸化物を用いた全固体電池の開発が進行中

・酸化物を用いた全固体電池実用化への大きな課題の一つが不十分な酸化物系固体電解質のリチウムイオン伝導

解決手段

・新たな材料開発のために、基礎に立ち返り、既存の酸化物系固体電解質の本質的なイオン伝導メカニズムを再検討​

・理想的な結晶配列をもつ酸化物系固体電解質であるチタン酸ランタンリチウム(LLTO)単結晶を用いてイオン伝導度を測定​

成果・新規性

・従来の多結晶と比較して単結晶では室温で約4倍、低温では約10倍も高いリチウムイオン伝導を示すことを発見

・結晶方位や組成の最適化により、さらに高いイオン伝導を示す可能性を示唆

・実験方法:走査電子顕微鏡、インピーダンス測定

期待される市場・応用

・酸化物系全固体電池

発表文献

S. Kobayashi et al., Nano Lett. 22(2022), 5516-5522.​

謝 辞:本研究の一部は、JSPS科研費(JP19H02606、JP21K18196、JP22H04914)、文部科学省マテリアル先端リサーチ事業(JPMXP09A21UT0037)、安全保障技術研究推進制度(JPJ004596)において実施されたものである。また、本研究に用いた単結晶はトヨタ自動車株式会社のご協力によりご提供いただいた。

プレゼンテーション動画

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