2025年度

JFCC研究成果集

独創的研究で社会変革に対応 ~マテリアル新時代へ~

1研究成果 / 脱炭素

R-3

2025

SDGs7

機械学習を活用した遮熱コーティングの設計と実証

SDGs7

アピールポイント

遮熱層の結晶相と放射性能を予測し、優れた遮熱性を実証
【技術シーズ:機械学習/電子ビームPVD】

背景・課題

・次世代遮熱コーティングには、高温安定性に優れ、低熱伝導・高放射率であることが望まれ、超低熱伝導のR2TiO5R:希土類元素)は候補材の一つである。​

・高温での結晶相の安定性と放射性能はR種に強く依存することが分かっているが、最適なR種の組み合わせは解っていない。

・両特性を満足するR種の組み合わせを予測する方法を確立する。

解決手段

・機械学習により任意のR種の組み合わせに対する結晶相の温度依存性を予測​

R3+イオンの励起エネルギーデータを基に、任意のR組成に対して、近赤外~中赤外線領域の放射性能をランキング形式で予測​

・予測したR組成の膜を電子ビームPVDで形成し、バーナー加熱で遮熱性を評価​

成果・新規性

①任意の等モルnRで構成される(nR)2TiO5に対して、結晶相の温度依存性を予測する手法、および放射性能をランキングする手法を確立(n:元素数)

②汎用のジルコニア遮熱コーティングシステムのトップコートに、予測した等モル(4R)2TiO5薄膜を配置することで、優れた遮熱性を実証

(4R)2TiO5の結晶相と平均Rイオン半径の関係
(破線は1Rの相境界、4R⇒温度変化による相転移抑制)
(4R)2TiO5の放射性能
ランキング
(Yb1/4Y1/4Dy1/4Er1/4)2TiO5/YSZ
積層システムの遮熱性能

期待される市場・応用

・航空機エンジン、宇宙機器、耐熱部材

発表文献

T. Ogawa et al., Adv. Sci., (2025) 2412280​

謝 辞:本研究は、防衛装備庁安全保障技術研究推進制度JPJ004596「光学特性を制御した革新的遮熱・環境遮蔽システムの基盤構築」により実施されたものである。

担当者:田中誠、小川貴史、川島直樹、山口哲央、橋本壮真、北岡諭

共同研究者:(航空宇宙技術振興財団)鈴木拓明、柴田晴雄、川崎亮