2025年度

JFCC研究成果集

独創的研究で社会変革に対応 ~マテリアル新時代へ~

1研究成果 / 脱炭素

R-4

2025

SDGs7

高温溶解物に対する環境遮蔽コーティングの耐性設計

SDGs7

アピールポイント

多元素系状態図計算による損傷度予測と実証
【技術シーズ:多元系データベース/状態図計算】

背景・課題

・航空機エンジン用部材の環境遮蔽コーティング(EBC)には、エンジン内に取り込まれた火山灰や砂等のCa-Mg-Fe-Al-Si-O溶融物(CMAS)に対し優れた耐食性が要求されるが、それを満たす材料は無い。​

・新しい材料設計指標を確立し、CMAS耐性に優れたEBC材を提案する。

解決手段

・EBC候補材-CMAS間に生じる反応生成相の相同定結果を基に擬三元系計算状態図を構築し、EBCの腐食度合いを示す記述子を提案​

・記述子を用いてCMAS耐性に優れるEBC組成を予測し、1400 ℃のCMAS耐性を評価​

成果・新規性

①EBC候補材-CMASの擬三元系計算状態図中において、EBCの腐食度合いが反応生成相(Garnet、Apatite、Yb4Al2O9)の存在領域の割合に依存することを見出し、記述子S[i]/S0を提案

S0:擬三元系計算状態図上において、現実的に存在する化学組成(Ca/Si=0.11~1.5)のCMASとEBC候補材で囲まれた領域(赤点線)の面積

S[i]:S0の領域内において、GarnetとApatiteが共存し、かつ、Yb4Al2O9が生成しない領域の面積

②S[i]/S0を用いてCMAS耐性に優れるEBCの化学組成を予測し、S[i]/S0値の大きなYbAHが極めて優れたCMAS耐性を示すことを実証

1400 °CにおけるEBC候補材-CMASの擬三元系計算状態図の例
1400 °CにおけるEBC候補材のCMAS耐性実験結果

期待される市場・応用

・耐熱部材、溶融物接触部材

発表文献

S. Kitaoka et al., Acta Materialia, 288 (2025) 120843​

謝 辞:本研究の一部は、NEDO助成事業「次世代複合材創製・成形技術開発プロジェクト」(JPNP20010)の支援を受けて実施されたものである。

担当者:北岡諭、田中誠、川島直樹、橋本壮真、伊藤大志、横江大作、加藤丈晴、小川貴史

共同研究者:((株)IHI)山崎直樹、土井康平、中村武志