2025年度

JFCC研究成果集

独創的研究で社会変革に対応 ~マテリアル新時代へ~

1研究成果 / 脱炭素

R-6

2025

SDGs7

超臨界水/乾燥雰囲気(二相環境)中の金属管を介した水素透過挙動

SDGs7

アピールポイント

金属管腐食で生成した水素を定量し、金属管劣化機構を解明
【技術シーズ:二相環境試験】

背景・課題

・亜臨界~超臨界水環境下にある大深度地熱資源を高精度探査する方法として、長さ数kmの金属管に内装した光ファイバーの歪変化を用いる方法が期待​

・二相環境下で金属管表面腐食に伴って生成した水素が光ファイバーに固溶
→光伝送特性を低下させる懸念

・二相環境に曝される金属の水素透過挙動と腐食挙動を解明する。​

解決手段

・二相環境に曝されたSUS316管(Si固溶)を透過したH2の経時変化を誘電バリア放電(BID)方式のガスクロマトグラフィーにより高精度に定量​

・曝露後のSUS管の両表面に形成した酸化スケール構造を分析するとともに、スケール厚さとH2積算透過量との相関を評価し、SUS管の腐食機構を解析​

成果・新規性

①水素透過速度は初期が最も高く、その後急激に透過速度が減少

②超臨界水側では、SUS管表面での溶解・析出により不働態膜のFe2O3層が時間経過に伴い形成するため、Feの溶解に伴うHの生成が抑制(H2透過速度が低下)
乾燥環境側では、管内に存在する極微量の酸素により形成した酸素ポテンシャル勾配下においてSUS管表面が酸化し、Fe2SiO4/内部酸化(SiO2)からなる多層スケールを形成

二相環境下におけるH2透過量
二相環境下に浸漬したSUS管の腐食機構

期待される市場・応用

・大深度地熱探査システム

・水素/水蒸気利用システム(SOEC/SOFC用部材、水素燃焼タービン部材)

謝 辞:本研究は、NEDO委託業務「地熱発電導入拡大研究開発/超臨界地熱資源技術開発/光ファイバーDASによる超臨界地熱資源探査技術開発」(JPNP21001)で実施されたものである。

担当者:川原浩一、中平兼司、伊藤大志、横江大作、加藤丈晴、北岡諭

共同研究者:((一財)エンジニアリング協会)笠原順三