2025年度

JFCC研究成果集

独創的研究で社会変革に対応 ~マテリアル新時代へ~

2研究成果 / 次世代電池

R-11

2025

SDGs7

大きくLi脱離したLiCoO2の微細構造解析

SDGs7

アピールポイント

Liイオン電池正極の原子・ナノスケールの劣化因子を解明
【技術シーズ:走査透過電子顕微鏡観察】

背景・課題

・Liイオン電池正極LiCoO2は大きくLi脱離(約60%以上)すると顕著に劣化​

・一因として酸素放出が指摘されているが、付随する微細構造変化は未解明

・期待される走査透過電子顕微鏡(STEM)による解析では試料方位制御が課題​

・微細構造変化の観点から劣化挙動を解明する。​

解決手段

・ミリメートルスケールの単結晶と集束イオンビーム加工を利用して、方位制御されたLi脱離試料を作製 → STEMによる微細構造解析​

成果・新規性

①酸素放出に伴うCoO型への構造変化とナノスケールの孔形成を発見

②CoO/LiCoO2界面にミスフィット転位の形成を発見

③複数の構造欠陥が協調的に形成する微細構造変化モデルを提唱

Li脱離処理後LiCoO2
環状暗視野(ADF)STEM像
CoO/LiCoO2界面のADF-STEM像とεyy歪みマップ
微細構造変化モデル

期待される市場・応用

・Liイオン電池

発表文献

K. Nakayama, S. Kobayashi, R. Ishikawa, A. Kuwabara and Y. Ikuhara, Chem. Mater. 36, 8984 (2024).​

謝 辞:本研究は、JSPS科研費(JP23K13567、JP23H00241、JP24H00373)、JSTさきがけ(JPMJPR23J9)、JST創発的研究支援事業(JPMJFR2033)、日本板硝子材料工学助成会、池谷科学技術振興財団(0341198-A)の支援を受けて実施されたものである。

担当者:仲山啓、小林俊介、桑原彰秀

共同研究者:(東京大学)石川亮、(東京大学/JFCC)幾原雄一