2025年度

JFCC研究成果集

独創的研究で社会変革に対応 ~マテリアル新時代へ~

3研究成果 / 環境材料

R-20

2025

SDGs7

とげ状表面を有するYSZ膜の抗菌性と生体親和性の発現

SDGs7

アピールポイント

表面形状制御により抗菌性と生体親和性を両立
【技術シーズ:電子ビームPVD】

背景・課題

・生体用インプラントには、半永久的な抗菌性の発現と生体親和性が必要

・現状の抗菌性付与方法は薬剤、紫外線、光触媒を用いた化学的作用を利用するが、薬剤耐性菌の増加、持続性の問題や人体への影響が懸念​

・一般にとげ状表面は菌細胞膜破壊により抗菌性を発現するが生体親和性が低下

・抗菌性と生体親和性を両立した膜を開発する。

解決手段

・良好な生体親和性を有するY2O3固溶ZrO2(YSZ)を膜素材に、Tiを基板に選定​

・YSZをターゲットに用い、回転する基板にN2ガスを吹き付けて低温で電子ビームPVD成膜することで、表面拡散に伴う平滑化を抑制し、とげ状表面を有する多孔質セグメント構造(縦割れ)を形成​

成果・優位性

①(111)面に配向した立方晶8YSZセグメント膜の表面に先端幅約20 nmのとげを形成することに成功

②大腸菌に対する優れた抗菌性を確認

③生体親和性(MC3T3-E1骨芽細胞)は現用材Tiと同程度

YSZセグメント膜のSEM像
種々の表面での大腸菌に対する
抗菌性評価結果
(□は菌液と接触する評価面)
種々の表面でのマウス頭蓋冠
由来骨芽細胞(MC3T3-E1)
の増殖試験結果
(□は細胞液と接触する評価面)

期待される市場・応用

・生体用インプラント

発表文献

M. Hashimoto et al., J. Ceram. Soc. Japan 132 (2024) 681-689​

謝 辞:本研究は、JSPS科研費(JP23H01694)の助成を受けて実施されたものである。

担当者:橋本雅美、山口哲央、橋本壮真、北岡諭

共同研究者:(東北大学)金高弘恭