3研究成果 / 脱炭素
R-13
2026

格子欠陥による炭化物セラミックスの室温変形能の向上

アピールポイント
TiCの格子欠陥により「変形するセラミックス」を開発
【技術シーズ:非化学量論性を利用した欠陥制御】
背景・課題
・炭化物セラミックスは超高温環境に耐えうる構造材料として期待
・実用上重要な信頼性の確保のためには靭性(壊れにくさ)の向上が重要
・セラミックスの塑性変形能を向上させることにより、靭性の向上を目指す。
解決手段
・Mo-Ti-C三元系のTiCは金属相と平衡させると、TiサイトにMoを置換、Cサイトに空孔を形成する格子欠陥が導入された(Ti,Mo)Cxとなる。
・格子欠陥は変形に必要な応力に影響する剛性率を低下させ、塑性変形能を向上させる。
・(Ti,Mo)Cxの変形挙動をマイクロピラー圧縮試験およびナノインデンテーション試験を用いて評価

成果・新規性
①塑性変形初期における(Ti,Mo)Cxの転位生成開始応力(塑性変形開始応力)は剛性率に比例しており、その傾向は種々の金属と一致
②剛性率の低下に伴って(Ti,Mo)Cxの強度は低下したため、(Ti,Mo)Cxの変形は金属と同様に転位に影響されていること、格子欠陥に伴う剛性率の低下によって(Ti,Mo)Cxの変形能が改善されること、が示された。


期待される市場・応用
・航空宇宙材料、サーメット
発表文献
S. Ida et al., Journal of the Ceramics Society of Japan 134(2026), 110-115.
謝 辞:本研究は科研費若手研究(JP24K17526)、NIMS連携拠点推進制度により実施されたものである。
担当者:井田駿太郎、木村禎一
共同研究者:(物質・材料研究機構)仲川枝里、Florian Tropper、大村孝仁、(東北大学)吉見享祐
