2026年度

JFCC研究成果集

サステナブルな未来を拓く革新材料開発と先端解析技術

3研究成果 / 脱炭素

R-14

2026

SDGs9

環境遮蔽コーティングの高温溶融物腐食における組織制御の重要性

SDGs9

アピールポイント

コーティングの微細組織由来の保護膜をその場形成
【技術シーズ:結晶配向YbAGドメインの創成】

背景・課題

・航空機エンジン用部材の環境遮蔽コーティング(EBC)には、火山灰や砂などに由来するCa-Mg-Fe-Al-Si-O系溶融物(CMAS)に対する耐食性が必要

・コーティングの組織制御により、過剰なCMASに対しても著しい耐食性を発現する手法を開発

解決手段

・Yb3Al5O12 (YbAG)-Garnetと(Yb,Hf)2O3-Bixbyiteからなる2相-EBCに対し、YbAG相を結晶配向の揃ったドメイン構造にすることで、保護膜をその場形成​

成果・新規性

①結晶配向したYb3Al5O12(YbAG)ドメインを有するEBCは、ドメインが無い場合に比べて、CMASに対して著しく耐食性に優れる。

②YbAGドメインを有する場合は、CMASとの反応により最表面に保護膜効果を有する緻密なCMAS固溶Garnet層をその場形成する(EBC中のYbAGドメインが核生成サイトとして作用)。CMAS残渣によるさらなる腐食は、この層の粒界を介した固相拡散により進行するため、EBC中のYbAGドメインを大きくすることで、CMAS固溶Garnet層の結晶粒径が大きくなり耐食性がさらに向上。

期待される市場・応用

・耐熱部材、溶融物接触部材

発表文献

S. Kitaoka et al., Acta Materialia288(2025), 120843.​

謝 辞:本研究の一部は、NEDO助成事業「次世代複合材創製・成形技術開発プロジェクト」(JPNP20010)、防衛装備庁安全保障技術研究推進制度JPJ004596「光学特性を制御した革新的遮熱・環境遮蔽システムの基盤構築」の支援を受けて実施したものである。

担当者:伊藤大志、田中誠、橋本壮真、川島直樹、横江大作、加藤丈晴、小川貴史、北岡諭

共同研究者:((株)IHI)山崎直樹、土井康平、中村武志