2026年度

JFCC研究成果集

サステナブルな未来を拓く革新材料開発と先端解析技術

5研究成果 / 次世代電池

R-23

2026

SDGs9

ハイスループット第一原理計算によるフッ化物固体電解質の探索

SDGs9

アピールポイント

室温動作固体電解質となり得るフッ化物結晶を15種類発見
【技術シーズ:半自動ハイスループット第一原理計算】

背景・課題

・フッ化物イオン二次電池は次世代二次電池の有力候補の一つ​

・全固体電池化には耐還元性とフッ化物イオン伝導性に優れた固体電解質の開発が不可欠だが、それらの条件を満たすフッ化物固体電解質が見つかっていない。

解決手段

・無機結晶構造データベース上のフッ化物に対する網羅的ハイスループット第一原理計算を実施し、イオン伝導体としての研究報告の有無に関わらず物性評価​

・フッ化物二次電池の固体電解質としてのスクリーニングを実施​

成果・新規性

・ICSDデータベースから放射性元素や部分占有d軌道の遷移金属イオンを含む化合物等を除外した立方晶系フッ化物205種類に対して半自動化ハイスループット第一原理計算を実施。計算状態図から111種類の安定相が確認され、分解電位がCeF3の-2.11 Vよりも低電位の化合物を15種類発見した。

本研究で得られた計算状態図の一例
K-Y-F三元系状態図
分解電位の計算値がCeF3よりも低くなった
ペロブスカイト構造、蛍石型構造を有する化合物の例

期待される市場・応用

・全固体フッ化物イオン二次電池

謝 辞:本研究は、NEDO委託業務「電気自動車用革新型蓄電池開発」(JPNP21006)において実施された。文部科学省スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム「物理-化学連携による持続的成長に向けた高機能・長寿命材料の探索・制御」(JPMXP1020230325)の支援を受け、スーパーコンピュータ「富岳」の計算資源の提供を受けた(hp240224)。

担当者:桑原彰秀、小川貴史、森分博紀