2026年度

JFCC研究成果集

サステナブルな未来を拓く革新材料開発と先端解析技術

6研究成果 / 先端微構造解析

R-32

2026

SDGs7

リン酸八カルシウムのプロトン伝導のシミュレーション

SDGs7

アピールポイント

水和層の欠陥導入モデル比較によるプロトン伝導の検討
【技術シーズ:第一原理計算、分子動力学】

背景・課題

・リン酸八カルシウム(Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2O)は骨関連材料として水和層中の水分子配向に関する研究例はあるが、プロトン伝導特性については不明

・水和層におけるプロトン・水分子挙動を様々な温度領域で欠陥状態を考慮しながら比較し、リン酸八カルシウムのプロトン伝導機構との関係を明らかにする。

解決手段

・水和層中の水分子挙動が重要であるため、第一原理分子動力学を実施​

・脱水反応および欠陥の影響を調べるため、水分子欠陥、水素欠陥、ヒドロニウムイオンなどを導入​

・十分な原子数・時間スケールを確保するため、第一原理分子動力学データを用いて機械学習ポテンシャルを構築し、分子動力学を実施​

成果・新規性

①250K付近では水和層中の水分子配向に規則性が現れ、𝑃ത1対称の構造を示した。一方、高温域では、水素の動きが大きくなる傾向が見られた。

②水分子欠陥、水素欠陥、ヒドロニウムイオンなどを導入して比較した結果、水素欠陥を有するモデルのみ、高温において長距離拡散挙動を示した。

リン酸八カルシウム(Ca8(HPO4)2(PO4)4・5H2O)の結晶構造
①第一原理分子動力学の平均座標
②水和層中の水素・酸素の平均二乗変位

期待される市場・応用

・機能性イオン伝導材料(バイオセンサー、バイオデバイス等)

謝 辞:本研究は、JSPS科研費学術変革領域(A)「計算科学による超セラミックスの設計と物性機能解明」(22H05146)で実施されたものである。

担当者:イ・ギョンソ、小川貴史、桑原彰秀