2011年度

JFCC研究成果集

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2011-1

環状明視野STEM法による水素原子の直接観察


技術のポイント

環状明視野(ABF)STEM法の観察条件を最適化し、最も軽い元素である水素の直接観察に成功

基礎研究


背景
軽元素を多く利用している材料の微細構造解析は困難であった。環状明視野(ABF)-STEM法および環状暗視野(ADF)-STEM法を併用することにより軽元素の直接観察を可能とした。

目的
軽元素を利用するエネルギー関連材料および機能性材料の構造解析を可能とすることにより、材料開発および性能向上の指針を得る。

成果
(1) ABF-STEM法の最適な観察条件を見つけ、軽元素を観察できた。
(2) 酸素、窒素、リチウム等の軽元素観察に続き、最も軽い元素である水素の直接観察を可能にした。
水素原子の直接観察 → 世界で初めて成功!


観察材料
VH2、TiH2
観察装置
収差補正STEM、ABF-STEM法

図1. ABFおよびADF検出器の模式図 図2. VH2のABF-STEM像 水素を直接観察



今後の展開
水素吸蔵材料の水素脱着時における
微細構造解析と劣化挙動解析技術を開発
信頼性の高い材料開発に貢献する

参考文献 S. D. Findlay, T. Saito, et al., Applied Physics Express 3 (2010)116603.
謝辞 本成果は、東京大学、産業技術総合研究所、東北大学との共同研究の一部である。



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