2011年度

JFCC研究成果集

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2011-1

次世代パワーデバイス用SiCの欠陥検出法の開発


技術のポイント

SiC単結晶基板・エピ膜の容易で正確な欠陥検出法、および欠陥挙動の評価・解析技術を開発

基礎研究


背景
SiCは高耐圧・高速・低損失・高温動作の特長を有するため、Siに代わる次世代パワーデバイス材料として期待されている。しかし大面積に対応可能で、正確・簡易な結晶欠陥検出手法がない。

目的
SiCにおける結晶欠陥の種類・分布および欠陥挙動の評価・解析技術を開発し、高品質SiC基板・エピ膜作製の技術開発に寄与する。

成果
(1) 溶融KOHへのNa2O2添加により、全てのp型−n型(n>1019cm-3) SiC基板・エピ膜に適用可能な欠陥検出・分類エッチング技術の開発に成功(図1)。
(2) 新たな試料構造を設計し電子線誘起電流法(EBIC)による 基板 - 界面 - エピ膜 の欠陥伝播挙動を評価する技術開発に成功 (図2)。


図1. (a) n+型(n>1019cm-3)SiC基板のKOH+Na2O2エッチング像
(b) 代表的なエッチピットと分類
図2. EBIC法による基板・エピ膜欠陥の同時観察



今後の展開
・開発した欠陥検出法の高度化
・転位・積層欠陥等の正確な評価
高品質SiC基板及びエピ膜作製技術開発

参考文献 Y. Yao, Y. Ishikawa, Y. Sugawara, et al., Mater. Sci. Forum 679-680, 290 (2011).
Y. Yao, Y. Sugawara, Y. Ishikawa, et al., Mater. Sci. Forum 679-680, 294 (2011).
謝辞 本研究はトヨタ自動車場Vからの委託研究として実施したものである。



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