2011年度

JFCC研究成果集

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2011-1

高離型性を有する樹脂封止用型部材の開発


技術のポイント

Y2O3多結晶体内にNとZrをコドープすることによりエポキシ樹脂に対する離型性を向上

基礎研究


背景
半導体樹脂封止システム用の型材料には、封止製品の生産性の大幅向上と品質向上等の観点から、エポキシ樹脂に対して優れた離型性を有することが重要である。

目的
型候補材料の一つとして期待されるY2O3表面を疎水性にすることにより、離型性のさらなる向上を目指す。

成果
(1) Y2O3多結晶体内にNとZrをコドープすることにより、エポキシ樹脂に対する離型性が大きく向上した。(特願2009-234794)
(2) 優れた離型性は、表面エネルギー(極性成分)の低下に伴う疎水性の向上により、水分子吸着が抑制されたことが原因の一つであると推察した。
(3) ドーパントの存在状態を静電エネルギー計算と第一原理計算により解析した結果、格子欠陥の形成を伴わない置換[O→N、Y→Zr]が高離型性の発現に重要であることを示唆した。
  ⇒ 離型性に優れた型部材の設計指針


モデル材:Zr固溶Y2O3表面を高温で窒化処理することで、表面近傍にNとZrのコドープ領域を形成。

図1. 離型力と窒化処理温度の関係 図2. 表面エネルギー成分(実験値)と窒化処理温度の関係



今後の展開
高離型性材料の設計指針を基に封止型を開発
離型アシスト機構が不要の
革新的樹脂成形システムを開発

謝辞 この成果は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)「ナノテク・先端部材実用化研究開発」の委託業務の結果得られたものである。



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