2013年度

JFCC研究成果集

未来開拓研究による環境・エネルギーへの挑戦

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2013-5

収差補正電子顕微鏡によるゼオライト骨格微細構造の観察


技術のポイント

これまでに可視化できなかったゼオライト骨格の微細構造をはじめて観察

基礎研究


背景
ゼオライトは複雑な結晶構造を有する上に、電子線への耐性が低いため電子顕微鏡による高分解能観察には限界があった。

目的
収差補正電子顕微鏡法をゼオライト構造観察に適用し、観察条件の最適化を図るとともに構造観察の高度化を目指す。

成果
(1) 2種類のモードにおいてゼオライトの高分解能観察。
(2) NCSイメージングによりゼオライト骨格内の微細構造を初めて可視化。
ゼオライトの微細構造について原子レベルの理解


・手  法: 収差補正電子顕微鏡法(加速電圧:200kV)
・光学条件: PCSIモード(Cs = +15μm、Δf = -7nm)
NCSIモード(Cs = -15μm、Δf = +7nm)
・サンプル: MFI型ゼオライト
図1. MFI型構造

図2. PCSIモードでの観察像
図3. NCSIモードでの観察像



今後の展開
骨格外原子種の濃度・位置に関する解析の高度化を図る
各種応用における機構解明

参考文献 K. Yoshida, Y. Sasaki and H. Kurata, AIP Advances, 3(4), 042113 (2013).
謝辞 この成果は、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「規則性ナノ多孔体精密分離膜部材基盤技術の開発」の委託業務の結果得られたものである。



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