2014年度

JFCC研究成果集

技術革新を支える新材料開発と先端解析技術

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2014-11

貴金属ナノ触媒による炭素材料酸化過程のその場観察


技術のポイント

環境電子顕微鏡を用いガス環境下での反応過程をナノスケールで直接観察する

基礎研究


背景
白金ナノ粒子を担持した炭素材料は燃料電池の電極触媒などとして利用されている。それらにおける貴金属使用量の削減には担持法の改良や長寿命化がもとめられている。

目的
加熱酸化雰囲気下で貴金属触媒ナノ粒子の凝集メカニズムおよび担持炭素材料の酸化機構をその場観察により明らかにする。

成果
(1) 酸素導入時においてナノ金属粒子の凝集が大きく進行する
(2) 貴金属粒子は炭素材料表面を大きく移動しながら酸化浸蝕する
貴金属触媒の酸化雰囲気下における劣化挙動のその場観察に成功


・試料:貴金属ナノコロイド水溶液と炭素材料(SWCNT, MWCNT, CB)との物理的混合
・評価:環境電子顕微鏡によるその場観察(日立ハイテクH9500)
     試料温度:〜350℃、酸素分圧:〜2Pa
図1. 環境電子顕微鏡試料室
(差動排気システム)
図2. 多層カーボンナノチューブに担持した
白金ナノ粒子の触媒酸化挙動



期待される適応分野
? 燃料電池触媒電極の構造最適化
? CSFの触媒酸化反応に関する基礎的知見の構築

謝辞 本研究は、名古屋大学超高圧電子顕微鏡施設との共同研究として実施したものである。



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