2014年度

JFCC研究成果集

技術革新を支える新材料開発と先端解析技術

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2014-16

透過電子顕微鏡を用いた複合評価によるSiC結晶欠陥の定量解析


技術のポイント

SiC単結晶内に形成される様々な欠陥の抽出技術およびその欠陥構造を精密に解析する技術を開発

基礎研究


背景
SiCは優れた性質(高耐圧・高速・低損失・高温動作)を有しており、Siに代わる次世代パワーデバイスとして期待されている。しかし、SiC単結晶内には種々の要因により結晶欠陥が形成されるため、デバイス特性が劣化する。

目的
六方晶系のSiC単結晶内に形成される欠陥(転位や積層欠陥など)を正確に抽出し、その欠陥構造を透過電子顕微鏡法により精密に解析することで、特性を劣化させるキラー欠陥とその構造との相関を明らかにする。

成果
(1) KOH+Na2O2エッチング法と集束イオンビーム(FIB)マイクロサンプリング法を連携させて、所望の位置からの欠陥抽出を可能にした
(2) SiC単結晶中の欠陥解析にウィークビーム暗視野法と大角度収束電子線回折(LACBED)法を併用することにより、結晶欠陥の精密な構造解析を可能にした


図1. (a) 小型六角形ピットと貫通転位の模式図.
(b) SiC表面のエッチピット分布.
(c) 貫通転位のウィークビーム暗視野像
図2. (a) LACBED法の模式図.
(b)-(d) 貫通転位から得られたLACBEDパターン



期待される適応分野
SiC, GaN, Diamondなどの
次世代パワーデバイス用半導体材料の欠陥評価

参考文献 Y. Sugawara, Y. Yao, Y. Ishikawa et al., Mater. Sci. Forum, 778-780 (2014) 366.
謝辞 本研究は、トヨタ自動車からの委託研究として実施したものである。



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