2014年度

JFCC研究成果集

技術革新を支える新材料開発と先端解析技術

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2014-17

ネオジム磁石の高温における磁区・磁壁構造観察


技術のポイント

180℃近辺における外部磁場印加にともなうネオジム磁石内の磁区構造変化の動的観察・解析

基礎研究


背景
ネオジム磁石は電気自動車などの次世代自動車に用いられる永久磁石である。しかし、使用環境の温度の上昇と共に保磁力が減少してしまう。そのため、微細組織と磁区・磁壁構造との相関を動的観察することで、保磁力発生あるいは保磁力低下に関する知見を得る必要がある。

目的
ローレンツ顕微鏡法で微結晶磁石中の磁区構造を観察するとともに、高温における磁区構造変化に関する知見を得る。

成果
(1) 着磁した微結晶薄膜試料をTEM内で加熱することで、高温における逆磁区発生を観察することが可能
(2) 着磁した微結晶薄膜試料に逆磁場を印加しながら加熱すると、無磁場の条件と比較して低い温度域で逆磁区が発生


TEMサンプル磁場印加装置
外部磁場印加前後および熱消磁後の試料全体像

着磁後の微結晶サンプルの温度変化による磁区・磁壁構造観察



期待される適応分野
・耐熱性磁石の開発
・自動車用モーターの評価

謝辞 本研究は未来開拓研究プロジェクト(次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発) の一環として実施したものである。



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