2014年度

JFCC研究成果集

技術革新を支える新材料開発と先端解析技術

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2014-2

炭素繊維-樹脂間の密着性に及ぼす過熱水蒸気へのガス添加効果


技術のポイント

過熱水蒸気に添加するガス種の違いにより、炭素繊維表面の官能基量の制御が可能

基礎研究


背景
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)廃材からの繊維回収と同時に繊維− 樹脂間の密着性向上(繊維のその場表面改質)が実現できれば、回収繊維のサイジング剤フリー化によるCFRP製造コストの大幅削減が期待できる。

目的
過熱水蒸気を利用したCFRPリサイクル技術開発の一環として、炭素繊維単体を過熱水蒸気処理し、処理時のガス添加が樹脂との密着性(界面せん断強度)と表面官能基量の変化に及ぼす影響を明らかにする。

成果
(1) 過熱水蒸気に添加するガス種の違いにより、炭素繊維−樹脂間の界面せん断強度が変化し、特にN2ガス添加が効果的であることを確認した
(2) ガス添加なしではOH基が、N2添加の場合はOH基に加えて塩基性官能基が、CO2添加の場合はCOOH基がそれぞれ増加し、これらが界面せん断強度向上に関与したものと考えられる


図1. 炭素繊維−樹脂間の界面せん断強度
図2. 炭素繊維表面の官能基量の変化



期待される適応分野
? CFRPのリサイクル
? 炭素系材料の表面改質

参考文献 [1] 和田匡史、河合和彦、鈴木智幸、平博仁、北岡諭、セラミックス、49 (1)、44-48 (2014)
[2] 特願2014-10822
謝辞 本研究は、愛知県の「知の拠点あいち・重点研究プロジェクト」の一環として実施したものである。



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