2015年度

JFCC研究成果集

次世代を支える新材料開発と先端解析技術

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2015-7

一定電束密度下の第一原理計算によるZnOの強誘電性解析


技術のポイント

理論計算から有限電界下におけるZnOの挙動を解析し強誘電性の可能性について検討

基礎研究


背景
ウルツァイト型結晶構造の強誘電的振る舞いが観測されており[1]、理論計算の結果、ZnOが強誘電体となる可能性を示唆した[2]

目的
ZnOの有限電界下での挙動を明らかにするため、一定電束密度下の第一原理計算を行い、ZnO結晶におけるP-Eヒステリシス曲線、分極反転挙動について検討する。

成果
(1) ZnOは有限電界下で構造反転可能であることが示された。
(2) 反転経路において中心対称構造 (P63/mmc )を通る。
完全結晶ZnOが新規強誘電体となり得ることを示した


・手法: 密度汎関数理論に基づく擬ポテンシャル法(ABINITコード、PAW法)

電束密度に対するΔE
a) 計算より得られたZnOのP-E曲線
b) 強誘電体のP-E曲線 [例]



ZnOの反転経路



期待される適応分野
新規非鉛強誘電材料の開発

参考文献 [1] S. Sawada, et al. , J. Phys. Soc. Jpn. 35 (1973) 946.
[2] H. Moriwake et al., Appl. Phys. Lett. 104, 242909 (2014)
謝辞 本研究は、JSPS科研費25106008の一環として実施したものである。



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