2015年度

JFCC研究成果集

次世代を支える新材料開発と先端解析技術

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2015-1

エッチング法によるSiC研磨ダメージ層の除去とエピ膜品質の向上


技術のポイント

機械研磨によるSiC基板表面ダメージ層を化学エッチングで除去し、基板上のエピ膜品質を大幅に向上

基礎研究


背景
次世代パワーデバイス材料のSiCはダイヤの次に非常に硬い材料である。 機械研磨で形成された基板表面ダメージ層は研磨レートの低いCMPでの完全除去が難しく、基板上に作製したエピ膜に様々な悪影響を与える。

目的
等方性を有する化学エッチングを用い、SiCの表面平坦性を保持しながら、ダメージ層を高速で除去し、基板上のエピ膜品質を向上させる。

成果
(1) 高温KCl+KOH混合溶融液を用いた等方性化学エッチング法を開発
(2) 4H-SiCのSi面のエッチレート約30μm/hを達成
(3) 加工で発生する三角欠陥密度大幅削減(67個/cm2⇒<0.9個/cm2
SiC表面ダメージ層を短時間で除去するエッチングで、
高コスト化学機械研磨工程を大幅に短縮することに成功


・ 手法:高温KCl+KOH混合溶融液エッチング
・ 評価:基板上のエピ膜作製、エピ膜の欠陥検出KNエッチング、AFM評価、レーザー顕微鏡観察

三角欠陥の特徴
処理後基板上に作製したエピ膜における三角欠陥のエッチピット評価



期待される適応分野
・ SiC基板加工技術の開発
・ 半導体基板の加工及びダメージ除去技術の開発
・ 難加工半導体材料の表面処理及び平坦化技術の開発

参考文献 Y. Yao, Y. Ishikawa, Materials Science Forum 778-780 (2014) 746-749
謝辞 本研究は、科学技術振興機構研究成果最適展開支援プログラムの一環として実施したものである。



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