2018年度

JFCC研究成果集

未来社会を創出する革新材料開発と先端解析技術

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R-33
2018

表面電位制御チタン上における骨芽細胞の応答
およびタンパク質の検出




課題
酸化チタンスケール表面に表面電位(+、−)を形成することで、擬似体液中における水酸化アパタイト(HAp)形成能が向上
⇒生体内でまず吸着すると考えられているタンパク質(−)や細胞との相互作用は不明

解決手段
金コロイド標識二次抗体による吸着タンパク質の識別、骨成分Ca, Pの吸着能
⇒骨芽細胞の分化能に与える影響を調査

成果・新規性
酸化チタンスケールの表面電位(+または−)の場合、タンパク質の吸着並びに、
CaとPの吸着を確認
⇒骨芽細胞への初期の分化能向上につながる


酸化チタンスケール断面のSTEM-EELS解析(実験と計算)(上図)
および培養液中でサンプル上に吸着したタンパク質とCa, Pの検出(下図)

・スケール形成時のN2雰囲気中のPO2
  10-14 Pa, 873または973 K, 1時間
・骨芽細胞活性評価:
  MC3T3-E1分化
・タンパク質評価:
  血清含有培養液, 1分間浸漬,
・金コロイド標識二次抗体:
  タンパク質識別、EDX
酸化チタンスケールおよび未処理Ti上でのMC3T3-E1細胞の分化能



期待される市場・応用
人工股関節・椎体、歯科用インプラント

発表文献
M. Hashimoto et al., Key. Eng. Mat.,758 (2017) 86-89.

謝辞 本研究は、JSPS科研費(16K06786, 26249096, 25106004、25106008)および名古屋大学微細構造解析プラットフォームの助成を受けたものである


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