2022年度

JFCC研究成果集

新時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

1研究成果 / 革新環境材料

R-3

2022

SDGs9

エアロゾルデポジション法における​噴射ノズルへの超音波印加効果

SDGs9

アピールポイント

超音波印加による噴射粒子の凝集抑制​
【技術シーズ:AD法の成膜効率向上技術】

課題

・​エアロゾルデポジション(AD)法は、エアロゾル化した粉末を低真空・室温下で基板に高速衝突させる成膜法であり、緻密質セラミックス膜形成が可能

・噴射粒子が凝集している場合、基板衝突時に粒子の運動エネルギーが凝集粒子の解砕に費やされ、成膜効率の低下及び膜の多孔質化を招く。

解決手段

・​粒子噴射ノズルに超音波振動を印加して噴射粒子の凝集を抑制

・アルミナ膜の成膜効率、組織、結晶配向性に及ぼす超音波印加の影響を評価​

成果・優位性

・超音波振動を印加することで膜の緻密度と結晶配向性を維持しつつ膜厚が増大し、成膜効率がおよそ2倍に向上

・超音波印加により噴射粒子の凝集が抑制され、単一粒子として基板に衝突して塑性変形する粒子量の割合が増加したことを示唆​

AD法装置概略図
アルミナ膜の断面組織と結晶配向性

期待される市場・応用

・絶縁膜、耐プラズマ性膜、固体電解質膜、切削工具コーティングなどの各種​緻密質セラミックス膜の形成

発表文献・特許

M. Hasegawa, M. Tanaka et al., J. Ceram. Soc. Jpn, 129 (2021) 7.​
M. Tanaka et al., J. Euro. Ceram. Soc., 37 (2017) 4155.
特許第6331083号​

謝 辞:本研究は、JSPS科研費基盤C(JP20K05084)の支援を受けて実施されたものである。