2022年度

JFCC研究成果集

新時代のマテリアル戦略を支える新材料開発と先端解析技術

2研究成果 / 高性能パワーデバイス

R-10

2022

SDGs7

GaNウエハ上スクラッチからの​転位発生とエピ膜中の転位反応

SDGs7

アピールポイント

ウエハ表面の有害スクラッチの検出
【技術シーズ:多光子励起顕微鏡によるスクラッチの判別】

課題

・ワイドバンドギャップ半導体パワーデバイスの高信頼化・長寿命化が課題​

・パワーデバイス性能を損なう有害スクラッチを非破壊で検出・類別する技術の開発が必要

解決手段

・​ウエハ表面スクラッチの多光子励起顕微鏡による評価​

・ウエハ上へのエピ成長後、スクラッチから発生した転位3次元構造を多光子励起顕微鏡およびSTEM、TEMで評価​

成果・優位性

・多光子顕微鏡で暗線として検出されるスクラッチを起点に転位が発生し、​エピ膜表面まで到達

・スクラッチから発生した転位は、エピ成長中の転位反応によりa、c、c+a​すべてのタイプを発現するため、除去が必須

・実験方法: 多光子励起顕微鏡、STEM、TEM

エピ膜~基板内部の平面多光子励起顕微鏡像(左上数字は表面からの深さ)
スクラッチから発生した転位の断面STEM像
多光子励起顕微鏡観察位置
スクラッチから転位発生の概略図
STEM観察位置

期待される市場・応用

・ワイドバンドギャップ半導体パワーデバイス用ウエハの高品質化​

・加工変質層のない高硬度・脆性の単結晶材料加工技術の確立

発表文献

Y. Ishikawa et al., Jpn. J. Appl. Phys. 60(2021), 115501.​​

謝 辞:本研究の一部は、知の拠点あいち重点研究プロジェクト、JSPS科研費(20K05176)、大倉和親記念財団の研究助成にて実施されたものである。