2018年度

JFCC研究成果集

未来社会を創出する革新材料開発と先端解析技術

研究成果/計算科学と電池 研究開発トップへ 2018年度の一覧へ

R-4
2018

超高分解能STEM像を用いたLiイオン濃度分布解析技術の開発




課題
Liイオン二次電池の開発を促進させるために、Liイオン分布を観察する技術構築が必要不可欠である
⇒電子エネルギー損失分光法等のLi組成分析手法では電子線損傷により、
 原子分解能レベルでのLiイオン濃度分布解析が困難

解決手段
電子線損傷が少ないHAADF STEM法により超高分解能像を取得し、その画像から各原子座標を高精度に計測する。そして、Liイオン近傍の原子位置(座標)を用いて、Liイオン濃度による面積変化を算出することにより、Liイオン濃度分布情報を抽出
⇒超高分解能でのLiイオン濃度分布変化の解析が可能

成果・優位性
(1) 電池材料中の原子分解能によるLiイオン濃度分布変化の可視化に成功
(2) 従来の組成分析等の解析手法では得られない、原子分解能レベルでの局所領域構造解析が可能となった


実験方法:高角度環状暗視野走査型透過電子顕微鏡法(HAADF STEM法)

(a)LiFePO4と(b)FePO4のHAADF STEM像と結晶モデル

FePO4とLiFePO4界面(c)HAADF STEM像と
(d) Li濃度可視化像(緑:Li濃度少、赤:Li濃度多)



期待される市場・応用
電池材料の劣化挙動解析やLiイオン脱挿入挙動解明
⇒Liイオン二次電池開発の促進へ期待

謝辞 本研究は、NEDO「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(RISING2)」として実施したものである


研究開発トップに戻る 2018年度の一覧に戻る